目次
和風デザインの特徴について考えてみる
和風デザインってどのようなイメージでしょうか?
十二単のような雅さ?
千利休が愛した侘び寂び?
江戸時代に活躍した琳派や狩野派のような豪快さ?
はたまた、浮世絵のような表現?
どれも日本らしさを感じますね。
これら全て和風デザインの素となる事は間違えありません。
和風デザインは、上に上げた4つもそうですがそれ以外にも沢山の日本らしさを感じる素があります。
まずは、時代ごとに和風デザインの特徴を抑えていきます。
平安時代の和風デザインの特徴
この時代のデザインの特徴は一言で言うと『雅』です。
この時代の和風デザインは、和装結婚式や着物関連のホームページ・ポスターなどに相性がいいです。
平安時代は、日本古来の趣味嗜好を元に新しい文化が生まれた時代です。
この時代の芸術の担い手は、平安貴族。
様々な教育・教養を身につける中で美的感覚が繊細になり優艶な色合いなどが好まれるようになりました。
平安時代の色を使った配色
一斤染
#ffd3e4
白練
#FCFAF2
紅梅
#f69096
浅葱
#00a5bf
白練
#FCFAF2
紺
#223a70
青鈍
#324356
聴色
#FCD4D5
梔子色
#FDD876
平安時代の文様
流水模様
亀甲文
七宝文
江戸時代の和風デザインの特徴
この時代のデザインの特徴は『粋』『絢爛豪華』です。
この時代は武家もさることながら町民も経済力を持つようにまりました。
武家の間では主に絢爛豪華なもの、町民の間では主に粋なものが好まれました。
絢爛豪華な代表としては琳派や狩野派のような芸術。
行きの代表としては役者絵・浮世絵のような芸術。
このように階級によっても好まれるデザインは異なるのです。
江戸時代の色を使った配色
木賊色
#22825D
銀鼠
#BBBCBF
高麗納戸
#104539
鬱金色
#FED300
蝋色
#2b2b2b
卯の花色
#f7fcfe
芝翫茶(しかんちゃ)
#BF795D
鬱金色
#FED300
銀鼠
#BBBCBF
江戸時代の文様
菱文
市松模様
青海波
その他の時代の和風デザイン
明治時代に入ると西洋文化が庶民にも浸透していきます。
その結果、現在で言うレトロ和モダンデザインのようなデザインが出てきました。
和風モダンデザインについては、こちらでまとめています。
– 和モダンデザインの作り方
平安時代以前の奈良時代には、自然や植物由来の色やテクスチャー。
奈良時代の日本は、シルクロードの終着点とも言われ、大陸の影響を受けたデザインも多く見られます。
明朝体や筆字を使う
古くから日本には筆文化があったので、フォントに筆の動き表現されたデザインは日本らしさが出てきます。
代表的ものは寄席、相撲などで使われる江戸文字や寄席フォントでしょう。
日本らしいモチーフにキャッチコピーやタイトルとして使うと日本らしい雰囲気の和風デザインになります。
筆字の特徴は『はらい』『はね』『とめ』が表現されていることです。
これは明朝体にも含まれる特徴です。
また、モダンな印象の書体と上記で書いたような和風のビジュアルを組み合わせることで和モダンなデザインをつくる事も可能です。
明朝体の特徴
縦画と横画はそれぞれ垂直・平行で、おおむね縦画は太く、横画は細い。
横画の始めの打込みや終りのウロコ、縦画のはね、また左右の払いなどに楷書の特徴を残しています。
『大人っぽさ』『洗練性』『上品なイメージ』などのイメージを持ち、
細くするとモダンなイメージになり、太くすると歴史や趣のあるフォントになっていきます。
筆字の特徴
筆字の特徴は『はらい』『はね』『とめ』が表現されている。
毛筆体はさらに筆書き特有の勢いのあるストロークや柔らかさなどのディテールまでこだわってます。
日本では、江戸時代に勘亭流や寄席文字、相撲文字、籠字、髭文字など、当時の文化を象徴する書体が創り出されてきました。
和風デザインにマッチしやすいWEBフォント3選
– はんなり明朝体
やさしくて、ふんわりとした、ひらがなとカタカナをデザインしています。
筆者はよくボディーコピーなどのワンポイントに使ったりします。
– さわらび明朝
太めのフォントで見やすいのが特徴。
筆者は見出しなどによく使います
– Noto Sans Japanese
美しく読みやすいとよく言われる『Noto Sans』の日本語版。
明朝体や筆文字にも合い、筆者は本文(ベースフォント)によく使います。
Google Fonts 日本語 WEBフォント
Noto Sans JP、Noto Serif JP、Kosugi Maru、M PLUS Rounded 1c、M PLUS 1p、Sawarabi Gothic、Sawarabi Minchoの8つのフォントが現在、公開されています。
和風デザインは時代や背景によって変わってきます。
なので、効果的にWEBフォントを使うでより綿密な和風デザインを作ることが出来ます。
Google Fonts 日本語 WEBフォントに関しては、
YATのブログ様の記事で使い方や特徴などが細かくまとめられております。
– Google Fontsが正式サポートを開始した日本語ウェブフォント8種類それぞれの特徴と使い方
白銀比を使う
白銀比とは古来より日本でよく使われる黄金比のようなものです。
大和比とも呼ばれるほど日本人には馴染みのある比率です。
黄金比の1:1.618に対して、
白銀比は1:1.414の長方形です。
白銀比は、古くから日本の建築には使われており、有名なところでいうと法隆寺の金堂と五重塔などに使われています。
用紙規格のA判(A3、A4など)やB判(B3、B4など)の比率にも採用されています。
この白銀比の計算ツールもありますのでデザインにすごく便利です。
– WEB計-黄金比、白銀比などの計算 – color-sample.com
和風とは?デザインから和風を考えるまとめ
日本のデザインは時代によって作られ、変わり続けてきました。
モチーフ、色、テクスチャー、イラストなど・・・時代背景に合わせた王道なデザインも出来ますし、あえて現代的なデザインと組み合わせてモダンなデザインにも出来ます。
日本人は、世界の中でも色認識の能力に優れており海外の人が感じることのない色や感性を持っています。
それは日本独自の四季がもたらしたものだと考えられています。
秋には春には、はらはらと舞う桜、夏には鬱蒼と茂る草木花、真っ赤な紅葉、冬には純白の雪・・・これからが私たちの感性の源であり、和デザインの原点となっています。