日本伝統のリブランディングに大切な事

日本伝統のリブランディングに大切な事
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更新日時

ひだちデザインとして様々な案件に携わらせて頂いてブランディングからご依頼を頂く事が増えてきました。
その中で大切にしている事などをご紹介させていただきます。

リブランディングとは

リブランディングとは、今あるブランドを再び定義し再構築する事です。
会社や商品にはそれぞれすでにブランドイメージが付いているものがほとんどです。

ブランドが抱える問題を解決して再構築する事でより効果的にブランドイメージを活用することが出来ます。

本当に全く新しいでいいのか?

今までのイメージを壊して新しいイメージで商品をリニューアルしたい!
そのようなご依頼がありますし、依頼を受けた私もはじめはそういうお話は大好きでした。

本当に今までのイメージを壊して良いのでしょうか?

今までの歴史に勝るものはなし

商品や会社には培ってきたイメージや印象があります。
イメージや印象はとても大切でそれらが変わってしまうことでターゲットや顧客もガラリと変わってしまう事があります。

つまり、今までのイメージを壊すと言うことは、今まで商品や会社を支えたターゲットや顧客が離れてしまう恐れがあるということです。

特に日本伝統の商品であったり、会社には長い時代を経て培ってたイメージや印象があります。
そのイメージや印象が長い時代、ずっと残ってきたということは時代を生き抜いてきた強みというものが必ずあります。

そんな強みを引き出して現在の生活にどうアプローチをかけていくかが大切になってきます。
もちろん、今までのイメージを壊すというのも一つの手です。
ただ、イメージを壊すことで今までの歴史でついてきてくださった顧客を失うという大変なリスクを伴います。

今までのブランドを活かすリサーチをする

リブランディングに大切なのはリサーチです。

商品の『強み』
今までどのようなイメージや印象でどのようなターゲットと顧客だったのかなど商品の『歴史』
顧客が感じる『価値』
社会との『関わり』

リサーチを上記の4つが分類して考えていきます。
4つの中で同じことを何度も考える事がありますが、必ず同じことでも考えるようにしています。

4つの中で考えている間に関連性などが産まれて新しい気付きがあったりします。

商品の『強み』をリサーチする

強みをできるだけ細かくして考えていきます。

・元々どういう背景、どういう理由で作られたのか?
・商品の特徴は何で競合との比較してどこが良いのか?
・現在、どのような方にニーズがあるのか?
など・・・

この3つをベースにもっともっと深掘りして考えていきましょう。
元ある強みをしっかり固めてブランド再定義する為に必要となってきます。

商品の『歴史』をリサーチする

そもそもどのようなブランドであったのか?を考えていきます。

・どんな会社でどのように商品が産まれたのか?
・元々どういう背景、どういう理由で作られたのか?
・どのような顧客がいるのか?

私はできるだけ創業者や商品開発に携わった方の情報を集めます。
書籍を出されていたら書籍を読みます。ホームページなどにも情報が乗っていたりインタビューなど記事などもある場合があります。

打ち合わせ時に商品への思いなども必ず伺います。

ここでは、ブランドがどのように産まれてどのように育ってきたのかをしっかりと調べていきます。
歴史を知ることで実はこれって強みに成るのではないか?という気付きに出会ったりします。

例えば、実は元々作られた背景と現在の強みとが違い、作られた背景が社会にマッチしてしまうこともあります。
商品の企画は専門家が考えて作っているので、作られた背景がずれていると良くないケースもあります。

商品の『価値』をリサーチする

商品がどのような価値を持っているかを考えていきます

・どのような生活スタイルを提案できているのか
・顧客と商品の関連性を調べる

顧客は、商品を使う想像をして商品を購入します。
洋服で例えるとパーティーに着る服、普段着、デートに来ていく服など想像を膨らませて洋服を選ぶように商品それぞれに顧客は生活でどう使うかを想像して商品を購入します。

リブランディングする際には元々の強みを殺してしまう事はデメリットになりかねないので必ずリサーチします。

顧客と商品がどのように関連しているかもとても重要です。

・なぜ、競合ではなくこの商品が得ればれるのか?
・ブランディングの戦略と顧客が持つブランドイメージはずれていないか?
・どのような評価をされているか
など調べていきます。

社会との『関わり』をリサーチする

社会にどのように役に立っているかを調べる事も大切です。
いつ、どこで、どうして、なぜ、だれの約に立っているかを調べることで商品がどのように役に立っているのか?どのタイミングで使われるのかなどわかってきます。

ブランディング戦略を立てる

問題点は何かを明確にする

なぜ、現在のブランディング戦略がうまく行っていないか明確にしましょう。
この時も『コンセプト』『ターゲット』『強み』『訴求方法』の4つで考えるとよくわかります。

例えば、サイトなどのデザインで考えると・・・

『コンセプトにあったビジュアルになっているのか?』
『ターゲットが見やすいデザインになっているのか?』
『強みをちゃんと伝えれるデザインになっているのか?』
『SNSやサイト情報の文言やコピーはターゲットに向いているか?強みを伝えているか?』
『広告などは適切な場所で打っているのか?』
など・・・

今回はサイトで見ていきましたが、
サイトだけではなく商品・サービス全体でこのようなことを検証します。

そして、問題点をクライアントと共有しましょう。
共通認識をもって一緒になってブランディングしていく事が大切です。

強みをクラアントと共通認識する

クライアントが感じている強みのおさらいと情報を整理して企画を作っていく中で強みだと感じる事を共有していきましょう。
この際に絶対にクライアントとのズレはナンセンスです。

ブランディングはクライアントと一緒にやっていかないとなかなかうまく行きません。
一人でやっていると独りよがりなブランディングになる恐れもありますので徹底しましょう。

日本伝統のリブランディングに大切な事

日本伝統のリブランディングに大切な事は今あるブランドイメージを全く変えてしまうのではなく、ブランドのブラッシュアップをかける事でいい方向に向う事が多いです。

今まで培ってきた伝統の力は素晴らしいです。
その素晴らしい伝統の力を利用しないのは損だと考えています。

確かに長くやっていれば問題は絶対出てくるものです。
その問題にどこまで真摯に答えていくかがリブランディングの重要な仕事ではないでしょうか?

和風デザイナー

和風デザイナーシミズ ヒロカズ

1987年京都府生まれ。奈良県の大学にて奈良文化、デザイン、アニメーションを学ぶ。

印刷物の編集プロダクションで編集とライターを経験した後、オンラインショップのマーケティングを担当、Web制作会社を経て独立。

日本の歴史・文化・伝統を取り入れたデザインを得意とする和風デザイン専門店ひだちデザインを開業。

デザイン・メディア・イベントを通して多くの方に日本文化を生活や事業に活かして頂くべく事業展開。