目次
四季の自然から美しさを感じる
源氏物語には自然から出来た色が所々で登場します。
例えば、浮舟の衣装を描いた描写があるのですが、そこの文章にも自然から出来た色が登場します。
原文
「白き単衣のいとなさけなくあざやぎたるに、袴も檜皮色にならひたるにや」
現代語訳
「風情のない白い単衣のごわごわしたものに、袴も檜皮色、艶もないものをお着せしています」
その他にも「落栗色」「朽葉色」「赤朽色」など様々な自然ゆかりの色が登場します
カラーコード
檜皮色
#965036
落栗色
#EFCD9A
朽葉色
#917347
赤朽葉色
#db8449
黄朽葉色
#d3a243
青朽葉色
#ADA2503
明るいイメージの色
平安貴族に好まれた鮮やかな色春の色
春の色といえば、山吹色、桜色、萌黄色など思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
これらの色は平安時代にも好まれて源氏物語にも登場します。
原文
「まばゆき色にはあらで、紅、紫、山吹の地の限り織れる御小袿などを着給へるさま、いみじう今めかしくをかしげなり」
現代語訳
「派手な色ではなくて、紅、紫、山吹の地だけで織った御小袿などをお召で、流行的で美しい」
カラーコード
山吹色
#F8B400
雄黄色
#f9c89b
支子色
#fbca4d
聴色
#F3A1B2
萌黄色
#A0CA5A
若草色
#BBD347
平安の優美な色
平安時代に優美な色の代表は紫色でした。
そのほとんどが花の色から来ている色で『藤色』『菖蒲色』『すみれ色』などがあります。
源氏物語でも『楝色』という紫色が登場します。
藤色
#F8B400
菖蒲色
#674196
すみれ色
#705DA8
楝色
#695897
桔梗色
#624498
紫苑色
#867ba9
悲しみを表現する色
墨染色や薄墨色は、尼の衣装や喪中の衣装などによく用いられました。
源氏物語でも紫の上が亡くなられたあとの侍女たちの姿を次のように書いています。
原文
「女房なども、年ごろ経にけるは、墨染の色こまやかにて着つつ、悲しさも改めがたく、思ひさますべき世なく恋ひきこゆるに、絶えて、御方々にも渡りたまはず」
現代語訳
「長年仕えた侍女たちも、濃い墨染を着て、悲しみも慰めがたく、いつまでも諦めきれずにお慕い申し上げるが、まったく、ご夫人方にもお渡りにならない。」
その他にも悲しみを表す色として『鈍色』『萱草色』などがあります。
萱草色は明るい色に見られますが実は別離の悲しみを忘れさせる花として喪の色とされています
カラーコード
墨染色
#000A02
薄墨色
#A3A3A2
鈍色
#4f5555
青鈍色
#324356
萱草色
#f8b862