和のデザイン専門フリーランスを1年間行った実録

和のデザイン専門フリーランスを1年間行った実録
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更新日時

和風デザイン制作 ひだちデザイン

ひだちデザインの始まり

タイトルでは1年間と書きましたが実は契約社員とのダブルワーク時代を含めると3年目でトータル2年間、実際に事業を行ってきました。初めは、コーディングの業務が多かったです。コーディングというのは、画像の状態のデザインをブラウザーで表示できるようにするための作業です。

はじめからブレないコンセプト設定

『和風デザインをかっこよく身近に』というコンセプトで事業を始めました。 コンセプトを始めから設定したのは、他のフリーランスデザイナーの方と差別化をするための戦略です。

和風デザインを選んだ1番の理由は、『好きで得意なこと』を事業にしました。 和風のメディアを持っていたりしていて実績があった事も大きいです。

和風の仕事が来ない・・・

コンセプトを持っただけでは、自称和風デザイナーでしかありません。 コーディングの仕事は順調に増えていたのですが、肝心の和風デザインの仕事はほぼ取れませんでした。

リ・ブランディング大作戦!

webサイトを全面リニューアル

もともと、webサイトを持っていたのですが、和風テイストのwebサイトで何どこにでもあるものでした。

もっと和風を押し出したwebサイトが必要でした。 ただあるwebサイトではなく、事業に寄り添った狙いのあるwebサイトに作り変えたのです。

コンセプトを持った和風デザイン

もともと持っていたwebサイトは今思えば、コンセプトが反映されていないデザインでした。和風デザインはまず、デザインにマッチする『時代』『背景』などを決める必要があります。極端にいえば、縄文時代と明治時代のデザインは全く異なったものです。時代が混在してしまうとごちゃごちゃした印象のデザインとなります

ひだちデザイン明治と大正の間ぐらいの庶民をデザインを心がけています。 事業コンセプトの『和風デザインをかっこよく身近に』を大切にしてわりと時代が近くて明るいデザインを目指した結果、明治と大正の間ぐらいの庶民をデザインにすることいしました。

名刺の役職を和風デザイナーにした

ブランディングちゃうやんけ!自ら言ってるやんけ!というツッコミが来そうですが、これも大切な対策でした。

見たことない役職だから怪しまれるのではないか?
そんな不安もありましたが、やってみれば大成功!

見た目もより和風にデザインを変えたことにより、名刺交換した方が知り合いに紹介してくださる事も増えてきました。

和風の実績になりそうな所に営業をかけた

自分の周りをいくら和風で揃えても実績がないとイマイチ説得力にかけてしまいます。そこでメールアポイントなど営業活動を行いました。

初めはお話すら聞いて頂けない状態だったのですが、徐々にメールのご返信を頂けるようになり会って頂けてる事も増えて、実際の制作をさせて頂けるようになりました。

この時に一番気をつけたのは、お客様のお気持ちと自分の熱意でした。
メールを送って帰ってこない事も多い中でメールを開いて読んで頂けるだけもとてもありがたいことなのでその気持をずっと持ち続けてました。

この時のコツは、それだけで長くなってしまいますのでメールやSNSで直接聞いて頂いほうが良いかもしれません。

情報発信を意識した

特にwebサイト内のブログでの情報発信を意識して行いました。
和風デザインの事は好きで得意でしたので、そのノウハウを発信する事で『和風デザインの人』になることを目指しました。

リブランディング大作戦まとめ

ブランディングを含むイメージ戦略の中で大切なのは説得力です。
見たい人を「納得させるためにはどうすればいいか?」を今も常に居考えています。

その結果、独立前に『webサイトなどの販促の整備』『実績の獲得』『情報発信』の3つを意識して行い独立に繋げました。

和風デザイン専門で独立

前置きが長くなってしまいましたが、昨年2018年1月に独立を果たしました。
独立初年の前半は全く仕事がありませんでした。その時の原因や対策などを書いていきます。

リブランディングの落とし穴

独立した時、すでに初めて名刺交換させていただく方にも「あー和風のひだちデザインさんですね!」と言われるほどリブランディングは成功していました。しかし、仕事のほとんどがコーディングでした。

そこで私は、新規のコーディング業務を一時請け負わないという事を決めてその分、和風デザインの営業に時間を割きました。

そうしているとどんどん和風デザインのイメージはつくもののお仕事につながらないという事が起こりました。

その時にはコーディングに強いひだちデザインではなくなっており、コーディングの仕事も取れなくなってしまったのです。

イメージを変えるということは、元いたお客様が去ってしまう恐れがあります。
コーディング屋さんだった所が急に和風デザインやさんになったのです。お客様も困惑しますよね。

それだけでなく、新しく頂けるコーディングのお仕事もお断りしていたので全くコーディングのお仕事がなくなりました。

ただ良かったのはこれで完全に和風デザイン専門店のイメージを付ける事が出来たという点です。まさに諸刃の剣でした。

助け合いの重要性

お仕事がほとんど来なくなった時、ブログをすごく書いてはいたものの悲観的にもなっていました。『金銭的』『現実的』不安に勝つことが出来なかったのです。

この時に同じフリーランスの方から励まして頂いたり、激励して頂いたり、時にはお仕事を頂いたりしてなんとか生活をしていました。

この時の経験はかけがえのないものです。
応援してくださった方が窮地に立った時は助けたいと思いますし、私のように苦しんだ人が居たら同じように応援したいと強く思います。

個人事業とはいえ、一人孤独で働いているのではなくて多くの人と繋がっている。また、繋がって仕事をしていくべきなのだと痛感致しました。

ユニークなメディアを作った

お仕事がない中で一つのターニングポイントになったのは、神社参拝図鑑という神社の情報メディアを制作したことです。

神社の情報を乗せるサイトは沢山ありますが、『観光協会の方、神社関係者、中の人』しか投稿のできないメディアというのが他にない特徴です。

これが口コミになりヒット。
神社関係者の方や村役場の方とコラボをすることになったり、WEB系のイベントでスピーカーをすることになったりと一気に生活環境が変わりました。

神社を取り扱うメディアという事でもちろん和風デザインのサイトで、このサイトを御覧頂いて和風デザインの仕事を頂くことが増えました。

安売りもブランドになってしまう

フリーランスをしていての気づきですが、いずれ単価をあげよう!というのは絶対にやめた方がいいです。

なぜなら、安く制作をしていると安く制作をしてくれる所というイメージが付いてしまうからです。

単価を上げるたびにお客さんが離れていくので焦ってしまい、また単価を下げるという悪循環に陥ります。

安売りが悪だとは言いませんが、もし段階的に単価をあげようという戦略はやめたほうが良いでしょう。

フリーランス和風デザイナーを1年間やってみて

独立前の準備が期間に事業計画を練れた事がとてもよかったです。
確かに仕事が無くてどうしよう!!となったこともありましたが、みんなが通る道みたいです。

フリーランスデザイナーはデザイナーであると同時に個人事業主です。

経営の戦略を考える中で私は特化した価値を売る戦略でした。
そのためにコンセプトをたて、webサイトや名刺作り変えるなどリブランドを行いました。

ブランドを作り変えると言うことの恐ろしさを知ることも出来ました。
イメージが変わるとお客様層も変わる。

そして、今年も様々な仕掛けを考えて動いて参ります。

和風デザイナー

和風デザイナーシミズ ヒロカズ

1987年京都府生まれ。奈良県の大学にて奈良文化、デザイン、アニメーションを学ぶ。

印刷物の編集プロダクションで編集とライターを経験した後、オンラインショップのマーケティングを担当、Web制作会社を経て独立。

日本の歴史・文化・伝統を取り入れたデザインを得意とする和風デザイン専門店ひだちデザインを開業。

デザイン・メディア・イベントを通して多くの方に日本文化を生活や事業に活かして頂くべく事業展開。