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日本デザインを考える 伝統工芸とテクノロジーから考える日本デザインの未来

日本デザインを考える 伝統工芸とテクノロジーから考える日本デザインの未来

ごきげんよう、和風デザイナーの清水です。
2019年7月2日 にPanasonic Design Kyotoで行われた『Crafts Night Vol.4』に参加してきました。

Crafts Nightは、「職人及びものづくりに携わる人が気づきを共有し合い、可能性を拡げ、共に成長していく場」をテーマに活動をされていてVol.4では、「科学・技術力」について共有が行われました。

Crafts Night Vol.4で日本屈指の職人さん・デザイナーさんのお話に触れて『デザインの未来』について深く考えるきっかけになりました。

日本のデザイン

桶から見た未来のデザイン

この章では、イベント中に木工芸職人 中川周士さんのお話をうかがって学んだ事をご紹介します。中川周士さんは学生時代に石こうを学び、卒業後は家業の木工芸を行いながら土日にアトリエで石こうづくりをされていたそうです。

ただし、職人の仕事に土日などない時代で平日3時間程度残業する代わりに土日に休みをもらって石こうを行われていました。

新しい技術を取り入れていく

「私のおじいさんが職人をやっていた時、京都には250軒の桶屋さんがあったが今は4軒しかない」中川周士さんはおっしゃっています。そんな中、中川周士さんは様々な試みをされました。

Adobe Illustratorや3DCADを導入して設計をされたり、日本や海外のデザイナーさんとコラボして桶をつくられたりしました。

デザイナーさんとのコラボでは、無理な依頼もあったようです。
例えば、桶の鉄桶は上下2つという常識があります。その鉄桶を1つにしてほしいという依頼があったそうです。

この難題に対して『鉄桶』の締め付ける力だけでなく桶自体にテコの力を入れることでさらに締め付けて解決されたそうです。

桶は丸いだけじゃない!緻密な計算で桶の形を変えた

『桶の基本はアーチ構造』
アーチ構造を基本として円状に木材を配置することでバランスをとって丈夫な桶が完成します。

しかし、中川周士さんは円を規則的に配置することでアーチ構造を崩さずに円の形を重ねる事で様々な形の桶を制作されました。

特に最初に制作した楕円形。
楕円形にすることによって円形より多く入るドンペリクーラーやシャンパンクーラーを制作することが出来ました。

このように形状を変えていくことによって新たなデザイン・新たな価値を提供する事に繋がりました。この新たな価値がテクノロジーと結びつき、日本デザインの未来に結びついていきます。次の章では、職人技とテクノロジーが結びつきどのような日本デザインの未来に結びついて行くかをご紹介します。

職人技とテクノロジーが結びついて新たなデザインを産んだ

木材がプラスチックに変わってテクノロジーによって大量生産が可能になった事。これは確実に日本の伝統工芸に大きなダメージを与えた要因です。

しかし、伝統工芸の技とテクノロジーが融合する事によって『日本の新しいデザイン』が完成します。

そう強く感じたのが、中川周士さんが実際に持参された『IH付の桶』でした。
匠の技でつくられた桶にIHの技術を仕込むことで、桶の中には常に熱いお湯が入っている。私はこの技術で湯豆腐が食べたい!っとなりました。

このIH付の桶を使った湯豆腐を外国人の友だちに振る舞ったらどんなに喜ぶんだろう!とも考えました。

このようにユーザーが使い方やおもてなしのあり方を想像するようなデザインが生活を豊かにする新しい日本デザインになっていくでしょう。

中川周士さんは他にも常に冷水がでる桶なども開発されています。
この桶で冷え冷えのスイカを桶から出して食べてみたいです!

テクノロジーと日本のデザイン

未来の日本デザインを考える

イベントの後半は木工芸職人 中川周士さんとPanasonic 中川仁さんのトークセッションが行われました。お二人はGoonという伝統工芸クリエイティブユニットとPanasonicで共同展示などを行いその中で未来の日本デザインについて体感されたと語っています。

工芸職人と工業デザイナーの埋まらない壁

はじめのうちは工芸職人さんと工業デザイナーさんの間には壁ができていたようです。壁ができた原因は『制作に対する考え方』でした。

工芸職人さんは「言語化できるものを作っても意味がない」という思いでものづくりを行っていました。一方で工業デザイナーさんは「安心・安全で大量にいい商品を提供する」という事を100年間近くやってきていました。いわば、『言語化された』ものづくりです

その中で工業デザイナーさんに『言語化できるものを作っても意味がない』という本質的な意味がなかなか捉えられなかったようです。

ミーティングが何度も行われましたが平行線でとにかく試作品をいくつも作っていったそうです。自動茶筅機を作りみんなでつかってみたそうです。工芸職人さんは「これじゃないだろう・・・」と思われたそうですが・・・

工芸職人さんとつくったりつかったりを繰り返す中で工業デザイナーさんは『豊かさを表現するにはどうするか』という考えに至りました。

日本の豊かさってなんだろう?

工芸職人さんと工業デザイナーさんは、共同で1つの長テーブルをご神木と呼びその上で展示を行うという企画を行いました。すると、まとまらなかった企画がカッチとピースがハマったように動き出したそうです。

それまでは自分の作品だけを見ていたが、一つのテーブルに展示することで隣の作品が妙に気になったそうです。一つの長テーブルをご神木と呼び、複数のつくり手が同じコンセプトの中で作品をつくる中でバラバラの作品ではなく、ご神木という1つの作品になった事が原因だと私思います。

工芸職人さんは「工芸をやってきて、家電とかテクノロジーは意識しなかったが実は相性がいい。量産したりすることが難しい工芸。木の性質を知るAIが出てきたりするんじゃないか(数値などはAIがやり数値化出来ない所を職人がやる)テクノロジーと工芸は手を取り合うことでより豊かな未来ができるんじゃないか?」と感じたそうです。

工業デザイナーさんは「普段1/100の誤差を許さないテクノロジーと経験など数値化出来ない職人さんの技術。テクノロジーをやってる考え方では理解できない事が多い。使っていて味が出る、触って深みが出る職人の技術と手を取り合いもっといいものをつくることこそ『豊かさを表現する事』と言っしゃていました。

私は、技術革新により確かに豊かな生活を遅れるようになったけれど、これからは商品への愛着や思いやりなど『計算の出来ない豊かさの提供』が重要になってくるのではないかと感銘を受けました。

職人さんと行ったデザイン思考

お気づきの方も多いと思いますが、工芸職人さんと工業デザイナーさんが行ったのはデザイン思考というものです。

【定義→研究→アイデア出し→プロトタイプ化→選択→実行→学習】

上記のプロセスを繰り返す事でよりよりいいものをつくりだしていきます。

今回の場合は、
定義=未来の日本デザイン
研究・アイディア出し=ミーティング
プロトタイプ=茶筅機
選択=これじゃない
実行=ご神木の展示
学習=豊かさを表現する
となります。

まとめ

このイベントを通して学んだことは『豊かにする日本らしいデザイン』についてです。未来の日本デザインとは、日本の良さを見直しテクノロジーと融合することで新たな価値を見出すことです。

では、日本の良さとは何でしょうか?
それをデザイナーがデザインで表現するだけではなく、消費者もデザインを手にとって日本らしさを楽しむ事です。

記事自体は以上になるのですが、次の『Crafts Night Vol.5』にも絶対に参加したいと思うほどにいいイベントでしたので、ユニットなどのご紹介を致します。

松下幸之助の思いを継ぐ『Panasonic Design Kyoto』

伝統工芸は日本のものづくりの原点

「伝統工芸は日本のものづくりの原点である」
経営の神様と呼ばれる松下幸之助は伝統工芸こそ日本のものづくりの基本であり原点であると社員に伝えていたそうです。

私の母は松下電器出身でよく『新人教育でお寺の修行に行った話』など話していました。日本三大八幡宮の一つで京都府八幡市にある石清水八幡宮には松下幸之助が奉納したと言われる宝物がいくつかあると言われています。

このように松下幸之助は日本の伝統や文化に深く感銘を受けていた事が伺いしれます。

社団法人日本工芸会の役員を務めたり、数多くの工芸品を収集したりと特に伝統工芸品を慈しみ普及に努めていたと言われます。

京都で起こす伝統工芸のイノベーション

『文化的なインプットブランディング』
『伝統工芸などで起こすイノベーション』

Panasonic Design Kyotoの方はそうおっしゃいます。

1000年の都と呼ばれる京都には伝統があり、デザインや工芸の学校がある。伝統の力と若い力でイノベーションを起こしたい。そんな気持ちが伝わってきました。

Goon 伝統工芸から、多分野の結節点を拡げていく

Goonはアート、デザイン、サイエンス、テクノロジーなど、他ジャンルと工芸との間に橋をかける活動や、その結果としての表現にも果敢に取り組むユニットです。メンバーは、工芸職人さん6名で構成されています。

ものづくりを通じて未来をつくる活動を通して、これからの時代の豊かさを考え続けて活動をされています。

Goon

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